相沢英之公式サイト
活動報告
地声寸言『日中関係』

 4月30日、平成24年12月の第二次安倍晋三内閣の発足以来4年半ぶりに日中外相会談が実現し、岸田外相は会談が日中関係の歯車を回す端緒となった、と述べている。が、果たして、期待されるほどの両国関係の改善が今後も見込まれるだろうか、は疑問である。
外相会談の冒頭、王外相は「中国関係は絶えずぎくしゃくし、たびたび谷間に陥ってしまったが、原因は日本側が一番よくわかっているのではないか」とトゲのある言葉を発している。
報道陣を前に、関係冷却の責任を日本側になすりつける王氏の発言に、岸田氏はとっさに反論できなかった、といわれているが、何故中国側こそその原因はよくわかっているのではないか、ととっさに反論すべきではなかった、かと思う。
会談は4時間半に及び、岸田氏も日本の立場を繰り返し、応酬し合った、という。
もっとも白熱したのは南シナ海、東シナ海をめぐる問題であったという。南鳥島は岩礁に過ぎないと言ったり、尖閣諸島についても力による現状変更を認めさせようとしているのか、どうか知らないが、南シナ海で人工島の軍事化を進めている中国の野望を挫ぐ必要があることはいうまでもない。
戦時中僅か1年やそこらの中支での生活で中国人を知っているとは言わないが、なかなか一筋縄でいかない人種だと思っていいのではないか、と思っている。 ともあれ、永い関係の歴史を持っている隣国同士だからできるだけ無益な波風は立てない方が望ましいとは思うが、相手のあることであるから、よく思慮しておかなければならないと思う。



相沢英之 (平成28年5月27日)