一、「両党首負け比べ」という見出しを見た(三月九日朝日、朝)。両党首とも手傷を負っているが、こうなってみると小沢党首の方が深手になりかねない。しかし、自民党は彼の続投を望んでいるという。こうなった小沢氏より、例えば岡田克也氏などの若手の方が相手として戦い難いという見方があるからである。
一、国有林野事業を効率化するため、現在の国有林野事業特別会計に替えて独立行政法人を新設する法案が農林水産省で検討されているが、自民党の反対もあってまだ成案を得るに到っていない。
昭和三十年代に国有林野事業を公社化するという答申が提出されたが、自民党内の反対も強く法案にならなかった。
そもそも林野庁は国公私の林野全体にわたって指導監督すべき建前であるが、実際には圧倒的に大所帯である国有林野事業のセンター的立場に立って公有林、民有林をなおざりにする嫌いがあった。林野庁の職員の給与も殆んど国有林野事業特別会計の収入で賄われていた。
国有林野事業は、当時常勤労務者約三万人を含めて約十万人の職員が従事して、極めて不効率な経営状態であった。
そこで、国有林野事業の検討のため審議会が設けられ、慎重な審議の結果出された答申は、同事業を公社とするものであった。
これが、実現されていれば、経営問題のいい解決ができたと思われたが、職員組合の力も強く、又、公社案に対する与党側の支持も乏しく、日の目を見るに到らなかった。
あれから半世紀近くも経って、同じような議論が行なわれ、独立行政法人化を目指して法律案が検討されているが、自民党側の反対が強く、通常国会に間に合いそうもないという。
帝室林野局から引継がれた国有林財産はそもそもその所在が明治維新の際の佐幕派の諸藩の財産が中心であったために、全国にまたがっているとはいえ、東北を中心に遍在している。有効利用は行われていない分だけ、地方の経済発展をかなり阻碍してきたと見られているだけに、経営形態の早急な改革が望まれている。
一、三月十日の今日は陸軍記念日と言ったら、羽田発米子行きのJALのルー
ム・アテンダントは全然知りませんでしたと言う。日本の陸軍が奉天でロシア軍を破った日と説明したらヒエーというような顔付きで驚いていた。ついでに五月二十七日は日本海大海戦で東郷艦隊がロシアのバルチック艦隊を大破させた日と説明しておいた。無論彼女は知らなかった。
本当か嘘か、日本と米国が戦った事実すら知らないという高校生もいるという話だが、一体、学校での歴史教育はどうなっているのかな、と思わざるをえない。
イザナギ、イザナミの神話時代のことはさておいても、せめて近代の歴史だけでも、もっと詳しく教えて貰いたいと思う。その国の歴史を知らないで、祖国に対する愛情を持てるものか、とつい情けなくなる思いである。なお、三月十日は米空軍が東京に大空襲を加えた日であるが、陸軍記念日を狙ったのではないか、と思っている。
一、三月十日付の読売新聞の朝刊で「北、後継体制棚上げか」、「代議員当選名簿、息子三人名前なし」との見出しが眼についた。〇八年八月半ば脳卒中で倒れたとされる金総書記の後継者に誰がなるのか、という話題はかなり前から続いている。息子三人の名前が挙げられていたが、今回発表された右の名簿にその名が誰も載せられていないことから物議をかもしているようである。
現代に珍らしい独裁国家で、何かとお騒がせの種を撒く国だけにその後継首長が誰になるかは、われわれの関心事であるが、金総書記一家が、そう急にその権力を手放すとは考えられないだけに、又、何か近く発表があるのか、とも思う。とにかく嫌われものの国家ではないか。
一、同じ日の読売新聞朝刊に「中国の文化財一八〇〇万件流出」という見出しで、中国国家文物局の張相・副局長の話が載せられている。
彼は、近代以来、違法に国外に持ち出された文化財について、海外での競売阻止要求を強め、外交ルートを通じた返還を従来以上に促して行く考えを示したという。
この二月パリで行われた競売で十九世紀に北京から持ち出された十二支動物像を、売買を成立させまいとした中国人が落札、しかも代金不払いを宣言した問題については、張氏が明確に国家の関与を否定している。が、結局一体どうなるのか、という疑問が残る。
この種の問題は、ひとり中国だけに限られない。ギリシャやエジプトの文化財などについても同様な問題があるし、日本も同様な問題を抱えていると思う。
少なくとも途中から正規のルートで売買されて来たものをどうして取り戻せるのか、疑問であるが、本来、ユネスコあたりで根本的な検討をすべく採り上げられるべき問題ではないか、と思う。