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活動報告
地声寸言『農業再生ブランド力で』


 それ「昔から腹がへって戦(いくさ)は出来ぬ」という。人間基本は食物で、何はあってもこれを確保することが第一である。
 「農は国の本である」などが、それを叫ぶ若い候補者にあの戦後の買出し列車の窓から乗せてやりたい、という気さえする。
 人口密度が高く、国土の大部分が山地の日本の一人当り耕作面積は狭く、食料自給率は極めて低い。
 今回TPP交渉において一番難行したのは言うまでもなく農業問題であったのも、むべなるかな、と思う。
 大筋合意したという発表が正しいとしても、細部は詰め切れていないようである。それは、遂次協議して決めればいいと思うが、今後日本農業の在り方については、国としてしっかり将来を見据えて決めておく必要があろうと思っている。
 四月二十七日の読売(朝)に「農業再成ブランド力で」という見出しの記事があった。
 敢て、東大本間教授の考え方を引用する。基本的には大賛成である。
 東大の本間教授(農業経済学)は「TPP対策費を設けるなら、農地の大規模化や、農家の販売力向上などに充てるべきだ」と指摘する。TPPを機に、補助金などで零細農家も手厚く保護してきた旧来型の農政と決別することができるのか。企業参入を促すなど、農業を成長産業として再生させる取り組みが急務になっている。
 農業団体はTPPの交渉に日本が参加することすら強く反対をしていた。しかし、TPP加入は時の流れというか、反対しえない状態となって、今や、いわば條件闘争となって、今回の日米間でも激しい交渉となったのである。
 戦後、日本はGHPの指示のもと農地解放、自作農の維持、創設を強行した。戦後六十年今やこれも大きく見直すべき時期が到来している。
 農業経営の大規模化には、株式会社の参入と併せて、農地売買賃貸借の自由化が必項の條件である。
 もう今は薄くなって来ているとは思うが、戦後の農業改革には思想的な背景が強くまとわりついていた。その方面からの抵抗が皆無になった、とは思われないが、少なくとも時代的な役割りはもう果たしたかと見るべきではないか。
 ともあれ、日本は農業を成長産業として育て行くことは充分できるし、又できると思っている。
 日本食が世界遺産となる世の流れである。日本産の機械、器具が自動車を含めて能力的で、効率的で、精巧で、丈夫で、とにかく安かろう、悪かろうの世界では特色をもって日本産を誇りうるように、農業の世界においても日本食の世界的な普及と相俟って発展することを強く願っている。


相沢英之 (平成26年4月28日)